2023年6月某日、aruco取材班は取材で吉山商店に訪れた。


参考記事:https://sapporohassamu.aeonmallhokkaido.com/lp/aruco/detail/aruco_441646.html



「冷やし油そば」の取材で約30分程度の取材時間を想定していたが、気付けば90分が経過していた。冷やし油そばの紹介を受けつつ、店長永井さんのお話に聞き入ってしまい、あっという間の90分を過ごした。ドキュメンタリー映画を1本見たと言っても過言ではないくらい、お店や仕事にかける想いを熱く語っていただいた。



吉山商店 発寒店イオンモール札幌発寒 1F レストラン街にあります



それから食べる冷やし油そばは、一味も二味も違った。提供する方々の背景を知ることで、こんなにも旨味が増すだなんて考えたこともなかった。もはや新しい形の「味変」だ。



aruco読者の方々にも、この「味変」を少しでも体感してもらいたい・・・!


そんなわけで日を改め、吉山商店 イオンモール札幌発寒店 店長の永井さんにお話を伺ってきました!




そもそも「吉山商店」とは?


・札幌市内を中心に国内7店舗、海外2店舗を有するラーメン店


・主力は「焙煎ごまみそらーめん」


・イオンモールに入居しているのは札幌発寒のみ!(20231120日時点)



吉山商店 発寒店 のれんラーメン激戦区である札幌の中で、市民の方々はもちろん、観光で訪れる方々からも愛されるお店です!



というわけで、店長永井さんへインタビュー!




「人生は1度しかない」と思って飛び込んだのは「ラーメン」


店長 永井さん



編集長:もともと、ラーメン業界にいらっしゃったんですか?



永井さん:いえ、全然関係ない仕事をしていました。2011年は関東に住んでいたんですが、震災をきっかけに「人生は1回しかない」と痛感し、やりたいことをやって生きようと思いました。それから程なくして当時の仕事を辞めて、近所の行きつけだったラーメン屋に飛び込んだのがきっかけです。



ちゃんヨコ:行動力がすごい・・・。



永井さん:やりたかった仕事だったものの、見るのとやるのとでは全然違いました。大変でしたが、とにかく楽しかったんです。



修行を重ねる永井さん。腕が認められ、なんと沖縄への新規出店へ携わることに!


「このチャンスをつかみ取ろう!」と意気込むものの、9カ月で撤退が決定・・・。



ところが、東京に戻ることがほぼ決まりかけたところ、たまたま吉山商店の社長に出会い、さらに人生が一変。



「北海道で味噌ラーメンやらない?」



突然の誘いに驚きを隠せない永井さん



突然の誘いに驚きを隠せなかったものの、「人生は1回しかない」と再度思い返してチャレンジを決意!



沖縄での挑戦は、結果こそふるわなかったが、知らない土地で人や環境に恵まれたことへの感謝の気持ちが大きかったという永井さん。


その経験が、慣れた東京に戻るのではなく、もう一度知らない土地である北海道で挑戦することへの後押しとなったそう。




「お前、やれんのか?」突然訪れるチャンス


永井さん:実は、味噌ラーメンは作ったこともなければほとんど食べたこともありませんでした。
(先のイラストのラーメンがドット絵だったのは、誘われた時点で永井さんに味噌ラーメンのイメージが浮かんでいなかったため)



取材班:ええええええええ!!!!!!



永井さん:やったことがないからやらない、ってもったいないじゃないですか。挑戦出来る良い機会に乗っかって吉山商店エスタ店にて勤務を始め、一から自分を叩き直すことに専念しました。お店のオペレーションはもちろん、趣味も兼ねて食べ歩きを重ねながら舌の感覚を養っていきました。



激動の日々を送る永井さん。徐々に経験値を重ね、数年経ったある日、転機が訪れます。



やれるのか本当にお前ここだけ聞くと猪木と藤波の名シーンにしか聞こえない



永井さん:「お前、やれんのか?」と電話が来たんです、社長から。よく聞くと、イオンモール札幌発寒に出店するから、店長やれんのか?と。店長経験がなく、前触れの無い突然のことでしたが「やります、やれます、やらせてください」と答え、店長就任が決定しました。



沖縄での経験値を頼りにやってきた北海道で、一つの目標だった店長職に就任。


イオンモール札幌発寒でのお仕事は、これまでの経験をフルに活かしていくことに。




うまみは「豚ガラ」「鶏ガラ」「人柄(ヒトガラ)


永井さん:発寒ではとにかく「人」を大切にしようと考えていました。ラーメンの味が重要なのはもちろんですが、吉山商店で学んだのはその裏側の「人の想い」だったからです。お店作りは人の手で成り立つので、お客さまはもちろん、一緒に働くスタッフを大切にしようと心に決めていました。事実、開店からオープニングスタッフがほとんど辞めていないんです。



編集長:3年、ほぼ同じスタッフって奇跡じゃないですか?



永井さん:だからこそ、品質を維持出来ているんだと思います。お客さまを含め、たくさんの人に支えられていることに気づいたとき、うまみは「豚ガラ」「鶏ガラ」「人柄(ヒトガラ)」に代表されるなぁと感じました!



取材班:表現まで「うまい」じゃないですか・・・!



うまみは「豚ガラ」「鶏ガラ」「人柄(ヒトガラ)」




「切磋琢磨」が紡ぐ1


話は尽きない中、「焙煎ごまみそらーめん」をいただくことに。



焙煎ごまみそらーめん



味噌のコクと香ばしいゴマの芳しさがより食欲をそそる。中太ちぢれ麺はスープを絶妙な塩梅でグッと舌に近づけてくれる。芯までホロホロになったチャーシューの脂がうまみをどんどん引き立てていく・・・!



と、ここでちゃんヨコ。



ちゃんヨコ:ほかのお店より、メンマが淡白な気がするんですが気のせいですか?



メンマ



永井さん:気のせいではありません!スープのインパクトがあるからこそ、メンマ本来の味を優先して箸休め的に召し上がっていただくのがベストです!



ものの10分もあればスッと食べ終わってしまうが、一杯のラーメンに詰まったストーリーを意識するだけで、こんなに幸せな10分を過ごすことが出来るなんて考えたこともなかった・・・。



「うまみ」が凝縮されているのはラーメンだけじゃないんです、と永井さんがおすすめしてくださったのは「たれザンギ」だった。



たれザンギ



正直、ザンギの既成概念を打ち砕かれた。お肉のジューシーさが段違いで、温度管理を徹底している高温の油がポジティブに影響している。なにより、たれのかかった衣は湿気らずにパリッと小気味良い食感を楽しめる。衣にもややスパイシーな味が付いているものの、たれとまったく喧嘩せず、むしろお互いを引き立てあっている・・・!



あっという間に平らげてしまった。


最終的には「おいしい」の一言に尽きる・・・。



焙煎ごまみそらーめんとたれザンギ



編集長:永井さんが吉山商店の一杯を一言で表現するとどんな言葉になりますか?



切磋琢磨



永井さん:「切磋琢磨」です。お店に立つのは私だけでなく、他のスタッフも同様です。店長とは言っても責任が違うのみで、お客さまに喜んでもらいたいという気持ちは全員同じでありたいと思っています。立場や経歴に依存することなく、正しい行動を積み重ねるよう心がけています。



ちゃんヨコ:安全や衛生が保たれることってすごく難しいですよね。ルールを守ることだけじゃなくて、もともとのマインドセットが重要なんですね・・・!



永井さん:イオンモール札幌発寒に出店出来ていることは、とても名誉なことだと思っています。出店したくても出来ない会社がたくさんある中、自分たちを律しながらお店を続けてきた過去を踏まえると、切磋琢磨という言葉がぴったりでした。



思い返すと、いつもより焙煎ごまみそらーめんの味が深い気がする。


作り手の想い、それも「人柄(ヒトガラ)」だとするならやっぱり背景を知ることが「味変」になるなぁと確信した瞬間でした・・・!




「居場所」は吉山商店でありたい


編集長:永井さんにとって、吉山商店はどんな存在ですか?



永井さん:「居場所」ですね。お客さまにとってもスタッフにとっても、私にとっても、落ち着いて帰って来ることが出来る場所であり、生きるエネルギーが生まれる場所であって欲しいです。



居場所 お客さまにも、スタッフにも、自分自身にも



「場所」ではなく「居場所」


お腹だけではなく、心が満たされるのはこうした「人柄(ヒトガラ)」が良いダシを効かせているんですね!




2023年の夏は例年にない暑さでしたが、北海道には変わらず冬がやってきます。


どんよりした重い雲と、張り詰めたような寒い空気を溶かすなら


吉山商店で心も身体も温まってはいかがでしょうか。



熱く語る永井さんの手は、かつて熱油をかぶって火傷を負ったこともあるそう。だからこそ、厳しい安全管理は徹底されるとともに、おいしいものをおいしく感じられる空間が生み出されているのだと、取材班は気付くのでした・・・!



職人の手丁寧さが光る職人の手でした・・・!



【吉山商店 発寒店】
住所:北海道札幌市西区発寒8 12-1 イオンモール札幌発寒1F
電話番号:011-676-3111
営業時間:11:0021:00L.O. 20:45