【2022/11 閉店】食べきれない食パンの活用法を高級食パン専門店のプロに聞いてみた
パン屋さんで食パンを一斤まるごと買ったは良いものの、消費期限までに食べきれない。
皆さんにはこんな経験がないだろうか。
アルコ編集部員の中にも、まさにそれを経験した者がいた。余った食パンの活用法はないものかと考えていたところで、ふと思い立つ。
「プロに聞けばいいじゃん!」と。
という訳で今回、我々編集部は食べきれない食パンの活用法を聞くため、イオンモール札幌発寒にある「高級食パン専門店 嵜本(さきもと)」に取材させていただいた。
カウンタースタイルだが、奥にイートインスペースも。
活用法をお伝えする前に、まずは下の写真を見て頂きたい。嵜本を代表するパンの1つ、極生"北海道ミルクバター"食パンなのだが・・・
「崎」じゃなくて「嵜」がポイント。
でかい!
それはそのはず、冒頭で1斤食べきれない話をしたが、嵜本のパンはそれを上回る2斤サイズ。一人、もしくは家族数人でも食べきるのはほぼ不可能ではないだろうか・・・。食べきりの実態について、店長に詳しくお話を伺った。
---2斤サイズって結構量があると思うんですが、お客様から食べきれないと言った声はありませんか?
店長「正直、今までそのようなお声をいただいたことはないです。恐らく皆さん、冷凍保存していると思います。嵜本のパンは常温で3日間、冷凍で1週間持ちますので、ご家族で召し上がる場合は冷凍保存される方が多いようです。私は一人でも食べちゃいますが。」
2斤サイズを食べきれてしまう店長。目がイキイキしている。見えないのが残念。
食パンを求めるお客様はファミリー層だけでなく、年配のご夫婦や、一人暮らしの方もいるのだとか。そういった少人数世帯でもちゃんと食べきれるということは、言わずもがな嵜本のパンが本質的に味わい深く、毎日でも食べたくなる旨味が詰まっているということを示しているだろう。
---食べきれる自信がなくて2斤サイズを買うのを躊躇する方もいそうですが、そういった方に向けて、余った食パンの活用法があれば教えてください!
店長「冷凍する際に仕上げてしまう方法がおすすめです。例えばピザトーストだったら、カットした食パンの上にピーマンとベーコン、チーズを乗せて、まるごとラップで包んで冷凍庫に入れます。あとは食べたいときにそのままトースターに入れて焼けばいいだけなので、朝ギリギリまで寝ていられますよ(笑)
イメージ。高級食パンのピザトーストって贅沢。
お子さんのためにマシュマロとチョコレートソースのトーストを作っているスタッフもいますね。個人的にはしらすと納豆の組合せもおすすめです。でも・・・」
ここでおもむろに、メニュー表を広げる店長。
ジャムの一覧表。バリエーションの多さにびっくり。
抑えきれぬパンとジャムへの情熱を語っていただいた。緊張はどこへ・・・?
店長「うちのジャムを付けてもらうのが1番です。」
---おぉぉぉ!ジャムも取り扱っているんですね!種類も豊富でおいしそう!
Jewel jam、宝石の名にちなんでいて名前も美しい。
1番人気の「ストロベリーガーネット」、トレンド素材を使った「ピスタチオパール」など、ひとつひとつのジャムの色合いやイメージにマッチした宝石の名前が冠されている。リッチなのはもちろんだが、種類が多い中、食べきれるサイズであることが嵜本なりの配慮だとしたら、少量を数多く食べたい女子願望を満たせている。自宅でも、ギフトでも喜ばれるのは必至だ。
選ぶ楽しみも棚に陳列されているなんて、とっても粋。
ギフト用にもちょうど良い。
そして我々は、メニュー表からあるものを発見する。
奇をてらわないネーミングセンス。覚えやすさって大事。
--ラスクも販売されてるんですね・・・!
店長「これ本当においしいですよ。食べてもらいたい。・・・食べます?」
我々が「良いんですか!?」と反応する間に颯爽と店長は席を立ち、数秒後にラスクを手に戻ってきた。おいしさを本気で伝えるために店長は全力で協力してくださった。本当にありがたい。
---いただきます・・・!(絶対おいしいでしょ・・・)
感想が声よりも目に出てしまったライター。店長と目が一緒。
カリっとした歯ざわり・舌ざわりと同時に押し寄せるほどよいミルクのかほり。砂糖の主張より素材本来の味わいが口はもちろん、鼻にも幸せが駆け巡っていく。ラスクのイメージが覆される、小麦本来のほんのりとした優しい甘み。おいしい以外のコメントが見当たらない。本当においしいやつだ。
しかもお値段は300円(税込)とお手頃。ちょっとした手土産にもいいだろう。少なくとも私はこちらをお土産として出されたら、貰った人からの印象が高まるだろう。
ちなみに、このラスクは極生"北海道ミルクバター"食パンを使っているとのこと。食パンが余ってしまったら、ラスクにする選択肢もある。記事を書いている今も、舌が味を覚えていて記憶が蘇る。ラスク食べたい。とても食べたい。
パッケージもかわいらしい。食べきれるサイズが本当にうれしい。
その後、店長からは冷凍保存した食パンのおいしい食べ方も教わった。実際に 極美"ナチュラル"食パン を用いて、実際に試してみた。
【食パンの冷凍保存方法&おいしい食べ方】
その1:まずは食パンを好きな大きさにカットする。
指までカットしないように注意。
その2:カットした食パンを1枚1枚ラップで包む。
きちんと1枚1枚丁寧に包んでいく。
その3:冷凍庫にイン!
恐らくここまでは多くの方が実践している保存方法と大きく変わらないだろう。
私はフリーザーバッグに入れて保管することにした。
~2日後の朝~
その4:凍ったパンをラップから取り出し、水を入れた霧吹きを1、2回プッシュ。
この工程がすごく重要。どう違いがあるのか比較するために、後ほど霧吹きをかけずにトーストしたパンとも食べ比べてみる。
かけずぎ厳禁。やりすぎるとベチャつくそうな。
その5:凍ったまま電子レンジにイン。トースト機能で焼き上げる。
※自然解凍するとパンが水分を吸収し過ぎるため、要注意。
贅沢に厚切り気味にしてみた。
~数分後~
美味しそうに焼き上がった!いざ、実食。
語彙力が崩壊する私の感想。
香ばしい小麦の香りが立ちのぼり、鼻が幸福に包まれる。口に含むと、こんがり焼けた表面がさくっと小気味良い音を奏でる。中は出来立てと錯覚するほどにふわふわで、噛むたびに生地から舌を通じて、素材の良さが織りなす豊かな風味を楽しめる。
甘さ控えめとは聞いていたが、本当にその通り。シンプルな味わいだからこそ、甘いジャムから塩気のあるおかずまで、どんな食材とも相性を探る可能性は無限大だ。今回はバターのみでいただいたが、食パンそのものの優しい風味が感じられて朝から幸せな気持ちで満たされた。
次に、トーストする前に霧吹きをかけなかった食パンと食べ比べてみる。
もっと語彙力が崩壊する私の感想。
食べる前からわかってしまった。霧吹きがいかに大事か。
パンを手で裂いたときの感触が全然違う。適量の水分を含ませたパンは身を任せるようにふわっと裂けていったのに対し、こちらは裂けてたまるかとでも言わんばかりに生地同士がしっかりと結びついている。
食感についても、常温保存でトーストしたときのさくふわ感がより再現されていたのは水分を含ませたパンだった。ひと手間かけるだけでこんなにも違うなんて。今後、冷凍パンをトーストするときは「霧吹きを使う」がおすすめだ。
冷凍保存した食パンを食べる選択肢。
これまで食パンをまるごと買う勇気がなかったという方も、こういった活用法や保存方法を使えば2斤サイズもペロリと平らげられるのではないだろうか。ぜひ実践してみてほしい。
ちなみに嵜本では毎月、期間限定パン(5月はピスタチオ)も出しているようなので、そちらもお見逃しなく!
【高級食パン専門店 嵜本 イオンモール札幌発寒店】
住所:北海道札幌市西区発寒8条12-1 イオンモール札幌発寒1F
電話番号:011-669-5207
営業時間:9:00~21:00(20:30ラストオーダー)